択民H13-40



Aは,Bに対する貸金債権を回収するため,BのCに対する金銭債権の取立ての委任を受けた。この場合に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

ア 委任者であるBは,取立委任をいつでも解除することはできない。
イ 委任者であるBが死亡したときは,取立委任は終了する。
ウ CがAの代理受領権限を承認したにもかかわらず,CがBに支払をすれば,Aは,Cに対し不法行為責任を追及することができる。
エ BのCに対する債権に譲渡禁止特約がある場合,取立委任は,Bのみを債権者とするという特約の趣旨を事実上回避することになるので,無効である。
オ BのCに対する債権をBの債権者Dが差し押さえた場合,Aは,Dに対し優先弁済を受ける権利があることを主張することができる。

1.アウ 2.アエ 3.イエ 4.イオ 5.ウオ

解説等 

ア 民法第六百五十一条より委任は各当事者がいつでも解除することができる。しかしながら、当事者双方の利益のためになされた委任は、解除することはできない(大判大9・4・24民録26-562)
よってこの肢は正しい

イ 民法第六百五十三条より委任者の死亡は終了原因である。
よってこの肢は正しい

ウ Cの承認は単に代理受領権限を承認したのみでなく、代理受領によって得られる利益を承認したものであり、正当な理由なくその利益を侵害しない趣旨を含有する(最判昭44・3・4民集23-3-561)
よってAはCに不法行為責任を追及することができるのでこの肢は正しい

エ 取立委任は債権譲渡と異なり、債権者が変更されるものではない。また、譲渡禁止特約についてCは債権者が固定される利益を有するが、CはBに対する抗弁をもってAに対抗することができるため、特約の趣旨を事実上回避するものではない。よって本肢は誤りである。

オ AはBより債権譲渡を受けたのではなく、Bの第三債務者Cに対する債権をBに代わって行使するものである。よって第三債務者Cの承諾をもって民法第四百六十七条におけるのと同様の対抗力を認めることは困難であると解されている。よって本肢は誤りである。

関連条文

民法第四百六十七条(指名債権の譲渡の対抗要件)
民法第六百五十一条(委任の解除)
民法第六百五十三条(委任の終了事由)


判例

関連過去問

memo


  • 最終更新:2015-10-30 13:44:38

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